ＣＥＬＩＣＡ ＴＲＤ ＳＰＯＲＴＳ Ｍとは

　ＣＥＬＩＣＡ ＴＲＤ ＳＰＯＲＴＳ Ｍとは、2000年にＴＲＤのコンプリートカーとして、トヨタ・ＴＲＤ・モデリスタが共同開発したもので、1200限定で発売された。しかし実際発売されたのは700台だったらしい。
　ひかえめながらノーマルとは異なるエアロパーツにより、スポーティーなルックスを得ているこのＣＥＬＩＣＡは、スポット増しを施すなど剛性を高め、サスペンション・ショックなど足回りを中心にチューニングを施している。またエンジンそのものはノーマルだが、オリジナルスポーツマフラーなどにより10馬力のパワーアップを実現している。生産ラインから一度外し、チューニングを施した後、再び生産ラインに戻すという、ワークスチューニングならではの手法を用いている。
　直進安定性は抜群で180キロでもハンドルはまったくぶれず、振動さへ伝わってこない。またカーブでは弱アンダーながら非常に操作しやすい。またこの車はマニュアルのみだが、シフトには、レーシングフィールドを目指して開発されたクイックシフトを採用。小気味良いシフトフィールを体感する事が出来る。その上、アクセル・ブレーキ・クラッチなどは全てメタルで、メーターもホワイトメーターを採用するなど、スポーティーな演出が各所に加えられている。
　ただ加速と高速カムに切り替わってからのパワーは十分だが、中速域がやや弱く、カーブの立ち上がりに少々不満がある。また高速カムに切り替わるのが5千5百回転前後であるため、峠ではその威力を発揮する事が出来ず、その辺りが非常に残念なところである。これが4千回転前後で高速カムに切り替われば尚素晴らしい車になるのだが。
　この車の一番良い点は、誰でも安全にスポーツ走行を出来る事ではないかと私は思っている。