　私は以前医学系の大学に通っておりましたが、その授業の一環として人工中絶手術の映像を見せられました。その余りもの残虐さに正直言葉を失いました。子宮に棒状のものを突っ込み、胎児を八つ裂きにし、バラバラにして、スプーン状の器具で一つ一つ取り出していくのです。エコーでの映像では棒状の器具で突き刺された瞬間叫び声をあげる胎児の姿がはっきりと映し出されていました。墜胎された胎児は足、手、胴体頭と全てバラバラの状態になってしまうのです。

それ以来私は個人的にですが、中絶反対運動をしてきました。そしてわずか6人、しかし6人の方が私のところに相談に来てくれて、上記したような残虐さを訴えたところ、全員が産む決心をしてくれました。それはとても嬉しい事でした。
　さて先日国会中継を見ていたところ、年間三万人にも及ぶ自殺者の問題が取り上げられ、議論されていました。しかし中絶件数の数はどの位かご存知ですか？何と289127人（平成17年度、厚生労働省による調査）約29万件もの中絶手術が行われてるのです。年間ですよ。率でいうと25％。すなわち4人に１人は中絶されてることになります。これでも激減した方で一時は110万件もの中絶手術が行われていて、世界からは中絶天国日本などという屈辱的な言われ方をされてるのが現状なんです。しかもその多くが親の身勝手な且つ安易な理由で中絶が行われているのです。

中絶手術を受ける理由を多く順番から列記すると①妊娠したものの、子供を育てるのが大変・面倒臭い②結婚前の妊娠③これは①と重なるところもありますが、望まない妊娠④経済的な問題（特に三人目の子供が墜胎される場合が多いらしいです。）⑤レイプや一度限りの援助交際などで妊娠、しかも相手がわからない。⑥このままだと母体が危険。⑤⑥に関しては中絶も仕方がないかなとおもいますが、それ以外はどちらかというと決して中絶の必要のない、許されるべきでない中絶だと思います。（これは中絶手術を行ってる病院にメールでアンケート調査した結果によるもの）

では何故安易に中絶が行われているか。上記したように人工中絶手術は余りにも残虐なために、メディア等で放送が出来ません。また学校で教育される機会も皆無といえます。また日本は欧米とは異なり、無宗教に近いことも理由にあげられます。例えば一部のキリスト教では離婚や中絶が硬く禁じられています。その代わり日本は欧米とは異なり、例えばイスラム過激派とユダヤ教のように、宗教同士による衝突が少なく、その点では随分救われてる点はあるとはおもうのですが。また中絶するにあたり、医師は術者に手術の詳細について詳しい内容の説明はせず、また胎された胎児と親を面会させることもありません。また手術もほとんど無痛に近く、男性の私には分かりませんが、生理痛程度のものだそうです。しかも日帰りも可能なのです。多くの人は手術をしてそっとおろすとイメージしてるわけです。先日もレストランで食事していたとき、後ろの女子高生風の女の子が「昨日、子供おろしてきた」と笑いながら話してました。私は怒りをこらえるので精一杯でした。

現在行われてる手術方法は主に三つ。①一つは掻爬法（そうはほう）これがいわゆる最も残酷な方法です。②掃除機のようなもので吸い出吸引法。③そしてもう一つはミフェプリストン(RUー486）という薬の投与により人工流産を引き起こさせる方法です。残虐さに違いはあるにしても、胎児がこの世に生を受けることなく、命を落すことに変わりはないわけです。
　ただ女性にも、大切なものを犠牲にしてまでも幸せになる権利もあるわけです。もし中絶の残虐さから産む決意をし結婚したとして、その男性が仕事もせず、子育てもしない、お酒におぼれ暴力を振るう場合もあるわけです。そうすると女性は一生泣きながら生きていかなければならいかもしれせん。
　ですから、必ずしも中絶は絶対にいけないというわけではありませんし、またその他にも様々な理由があるでしょう。しかしどうか安易な考えでの中絶は是非やめていただいきたいと思います。